こんにちは。
日常、我々は国旗をさまざまな場所で目にしますが、その鮮やかな色彩やデザインの背後にある不思議な事実に気付いたことはありますか?または、疑問に思ったことはありませんか?
今回はその中でも実は知らない国旗の『縦横の比率』について調査してみました。
日常の中で当たり前に感じる国旗にまつわるこれらの雑学、知っているとちょっぴり得した気分になるかもしれません。
今回ご紹介する雑学は以下の通りです。
皆様の新しい知識の蓄えになれば幸いです。
縦横比の不思議
前回のA判、B判の紙のお話では、普段使っている紙の縦横比は『1:√2』で半分に切っても縦横比が変わらない『白銀比』である、ということをお伝えしたと思います。
では日本国旗をはじめとする、世界各国の国旗の縦横比は決まっているのでしょうか?
実は国旗の縦横比は国別に異なっています!正方形の形や横にとても長い国など様々です。
(日本は1870年の1月27日に国旗の規格が制定され、現在も1月27日は国旗制定記念日となっています。)
日本とアメリカの国旗を比べてみるとなんとなくアメリカの国旗のほうが横に長いことがわかるかと思います!
アメリカは1959年のアイゼンハワー大統領によってこの縦横比10:19が定められたそうです。
このように国ごとに様々な国旗の縦横比が存在しているのです。
では実際、世界各国の国旗の縦横比で多いのはどんな比率なんでしょうか。
国連加盟・オブザーバー参加の195か国の縦横比を調べてみると…
半数近くの国が『2:3』を採用しています!これは国連基準が『2:3』であることから国の基準としても『2:3』を採用している国が多くなっているのです。
日本で暮らしていると、国旗の縦横比の違いが気になる機会も少ないですよね。これに関しては、日本国内の出版物での国旗の縦横比が2:3になるように表記されていることや、日本の旗のサイズも2:3の規格であるため、ネパールなどの特殊な国旗以外は比率の違いに気づく機会がないのです。
【豆知識】
A判B判の縦横比である『白銀比』は『1:√2』。これを簡単な整数比に直すと『5:7』になりますが、その比率を採用している国も存在します。
その国はヨーロッパに位置する『アルバニア共和国』です。
正方形の国旗や横になが~い国旗やとがった国旗
① 正方形の国旗
正方形の国旗も2か国存在します。スイス連邦とバチカン市国です。スイスも普段は2:3の国連基準サイズで見ることが多く、国旗の形が正方形であるというなじみがないかもしれません。
バチカン市国の国旗はそもそも見る機会も少ないと思います。
このバチカン市国の国旗に描かれた金と銀の鍵は、使徒ペテロがイエス・キリストから授けられた『ペテロの鍵』と言われています。また冠と鍵はカトリックのシンボルです。
②横になが~い国旗
一番横長の国旗は、カタールの『11:28』です。縦を1とすると横は2.545倍の長さになります。
2022年のサッカーワールドカップの開催地としても記憶に新しいカタール。
昔は白と赤色の国旗だったそうですが、強い日差しのよる変色で赤茶色に色あせた旗を見て「この色も悪くない」となったことや、隣国バーレーンの国旗を区別する、という理由から今の色合いになったそうです。
③ 四角形じゃない国旗
195か国の国旗の中で唯一四角形でない国旗があります。それがコチラ!
ネパールです。2つの三角形を組み合わせた珍しい国旗です。
ネパール王国の王家と宰相家が使用していた二つの三角旗を組み合わせて簡略化したことものです。2つの三角形はヒマラヤ山脈を表し、またヒンドゥー教と仏教の二大宗教を表しています。また真紅の色はネパールの国花であるシャクナゲの色で国民の勇敢さを、縁取りの青は平和を表しています。また中に描かれている太陽と月はヒンドゥー教のシンボルであり、月は王家を、太陽は宰相を表しています。
一見同じ国旗?
下の問題。皆さん、わかりますか??
左が『インドネシア』で右が『モナコ』なんです。この二つの違い…どこかわかりますか?実は縦横比が違うんです。インドネシアが『2:3』、モナコが『4:5』と微妙にモナコのほうが正方形に近いんですね。
しかし、国連基準では…。どちらも同じサイズになってしまうため、オリンピックなどでは全く見た目が同じになってしまいます。
モナコのほうが国旗の制定が早く、モナコを700年以上統治していたグリマルディ家の紋章が由来になっています。インドネシアは古くは赤が太陽、白が月を表し、今では赤が自由と勇気、白が正義と純潔を表しているとされています。
制定が早かったモナコは抗議をしたこともあるそうですが、両国間で話し合った結果、両国の距離が離れていることや、どちらも同じくらいの歴史があることから両国ともそのままになったそうです。
いかがでしたか?
日本で見る国旗は『2:3』で統一されていても、詳しく見ていくとかなり深い世界だということがわかりましたね!調査した中でも、縦横の比率は25種類ほど存在し、今回ご紹介しなかった国旗も多数存在します。(189:335みたいな比率もあります。)
興味があればぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
また国旗は近い国同士や民族のつながりで似たような配色になっている国旗もあります。機会があればそちらについても調査してみたいと思います!
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